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金沢21世紀美術館 企画展「路上、お邪魔ですか?」

画像:鈴木康広《遊具の透視法》2001
撮影:川内倫子


かつて日本には、「公界」と呼ばれる、一定の制度や権力の及ばない自由な空間が存在していました。寺社の門前や宿場町に見られたそうした領域は、移動する人々や芸能を受け入れ、文化や交流を育む装置でもありました。

現代における「路上」は、これらの歴史的空間と完全に重なるものではありませんが、所有や統治の枠組みが曖昧であるがゆえに、ときに制度へのレジスタンスとして自由が見出されてきた場でもあります。一方で路上は、自由や解放の象徴であるだけでなく、排除の論理によって不安定さや居心地の悪さを内包する空間でもあります。

本展では「路上」をキーワードに、紹介可能な作品や歴史的な出来事、さらには言説を横断的に取り上げながら、現代においてますます複雑化する公共性のあり方を考察します。

本展の開催は、1986年に発足した「路上観察学会」の創設40周年を契機としています。赤瀬川原平や藤森照信らによって結成された同会は、意図的に制作された芸術作品ではなく、都市や自然が偶発的に生み出した状況にユーモアと批評の視点を見出し、それをメディアを通じて共有する活動を行ってきました。そこには、路上の豊かさを伝えると同時に、均質化していく都市への批評も含まれています。

また近年、路上をめぐる出来事は、公共性の在り方を問い直す契機ともなっています。2020年に渋谷で起きた路上生活者殺害事件は、「公共」とは何かという問いを社会に突きつける出来事となりました。所有の曖昧さゆえに、公序や規範が強調され、ときに個人の価値観が衝突する場としての路上の側面も浮き彫りになっています。

それでもなお、「自由」と「排除」が交錯する路上においては、多様な批評的実践や文化が生まれてきました。本展では、現代美術から歴史資料、テレビゲーム、銭湯、大道芸に至るまで幅広い領域を横断しながら、「路上は誰のものか?」という問いを手がかりに、過去から現在へと連なる都市への批評的視点を探ります。

批評とユーモアが交錯する、路上の芸術にぜひ触れてください。

ギリヤーク尼ヶ崎 札幌公演(2018 年8月)
撮影:植村佳弘

中村裕太《チョウの飛ぶ道》2018

ダニエル・エヴェレット《Untitled (from Marker)》2024
© Daniel Everett

路上園芸
撮影:村田あやこ

期間:
2026年4月25日(土)〜9月6日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)

会場:
金沢21世紀美術館 展示室
7〜12、14、デザインギャラリー、レクチャーホール

料金:
一般 1,200円(1,000円)
大学生 800円(600円)
小中高生 400円(300円)
65歳以上の方 1,000円
※本展観覧券は同時開催中の「コレクション展」との共通です
※( )内はWEB販売料金と団体料金(20名以上)
※当日窓口販売は閉場の30分前まで


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