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開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図」

画像:齋藤 義重《複合体95》1995年 豊田市美術館蔵

豊田市美術館は今年で開館30周年を迎えます。この節目にあたり開催される「開館30周年記念コレクション展 VISION 星と星図」では、コレクションを新たな視点で見つめ直し、全4期を通じて再構築していきます。


第挟では、展示室1と3の二部屋を使い、日本の戦後美術の集団的な動向と、その傍らで、時に関心を同じくしながらも独り制作を続けた作家たちの二つの軸から作品を紹介します。展示室2で展示するのは、2021年に寺内曜子が同室にあわせて制作した《パンゲア Red Square Line》です。展示室4では、迎英里子が産業都市豊田を念頭に構想した新作を披露し、つづく展示室5では宮脇綾子やウィーン工房の女性作家たちによる作品など、日常の延長線上に息づく作品を中心に紹介します。

篠原 有司男《かんざし》1966,98年  豊田市美術館蔵



戦後50年代後半から70年代の日本美術は、具体美術協会、ネオ・ダダ、もの派、そして美共闘(反戦・反安保の美術家共闘会議)など、いくつものグループが誕生しては解消し、新たな動向が次々と生まれるという、運動体としての展開をたどってきました。
しかし、その周辺では、斎藤義重、岡崎和郎、村岡三郎といった作家が、独自の時間軸に従って息の長い制作を続けており、こうした個々の存在もまた、戦後美術を考える上で重要な視点を与えています。

同館には、野村仁や河口龍夫など、同時期に関西を拠点として活動した作家の作品も多く収蔵されています。これらの作品は、当時の美術を異なる角度から照らすものとして位置づけられます。アップリケによる制作を日々の営みのように続けた宮脇綾子や、具体美術協会の元メンバーでありながら、菓子箱や色紙を用いて日常の延長線上で小さな作品を作り続けた堀尾昭子の作品にも、名づけを超えたアートの豊かさを見ることができます。

同館によりますと、極度に削ぎ落とされた寺内曜子の作品は、世界の無限の広がりを静かに示唆するものであり、迎英里子の新作には、システム化された社会への違和感が込められているとのことです。本展は、こうした表現を通して、個々の生のあり方を問いかけるものとなっています。

作品群はそれぞれが一つの星のように独立した個性を持ちながらも、互いに呼応し、複雑で豊かな星図を描き出します。来場者は展示室を巡りながら、時代や場所を越えて共有される多様な思考のつながりを感じ取ることができるでしょう。

寺内 曜子《パンゲア Red Spuare Line》(部分) 2021年 ©TERAUCHI Yoko 2025 photo:ToLoLo studio 豊田市美術館蔵



開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図」
会期:2025年10月4日(土)〜12月21日(日)
場所:豊田市美術館(愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1)
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日(10月13日、11月3日、11月24日は開館)
料金:一般300円[250円]、高校・大学生200円[150円]、中学生以下無料([]内は20名以上の団体料金)
その他:観覧料の減免対象者については公式サイトを参照ください。
URL:https://www.museum.toyota.aichi.jp

主催:豊田市美術館


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