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ARCHSTUDIOによるPIFOギャラリーの改修| 「光の漏斗」

Reception area © Jin Weiqi

2009年に北京市の朝陽区に位置する798芸術区にオープンした「PIFOGALLERY」は、抽芸術を研究する中国における主要な施設です。10年以上の運営を経て、ARCHSTUDIOが改修を手がけ、将来の開発へ向けた取り組みを行う環境へと改築されました。

「PIFO GALLERY」は、1950年代に建設された電子工場を活用した現代アートスペースの集合地帯「798芸術区」の中にあります。天井が高いものの、自然光が当たりにくく、閉じた「箱」のような空間です。工場だった建物の特徴を活かし、魅力的な雰囲気とユニークな視覚的要素を取り入れながら、機能的な空間に仕上げています。

Site plan © ARCHSTUDIO

Original building exterior © ARCHSTUDIO

Original building interior (construction site) © ARCHSTUDIO

改修を手がけたARCHSTUDIOは、既存の建築形態と構造に基づき、 デザインコンセプトを「光の漏斗」としました。設計チームは、もともと閉じていた「箱」を開けるように多層の自然光を取り入れ、空気の循環ルートや構造、素材を再編成し、美術展やレセプション、オフィス機能を統合した自然でオープンかつ効率的な空間に作り上げました。

Diagrams © ARCHSTUDIO

Models © ARCHSTUDIO

通り側に併設された2つの台形型の空間は、この「箱」を外側に開くための「窓」の要素があります。台形の1つは、建物と屋外の通りをつなぐ玄関ロビー。そしてもう1つは、オフィスエリアに日光と景色を楽しむ「出窓」としての機能があります。

Main entrance © Jin Weiqi(写真上) Street-side facade © Jin Weiqi(写真下)

Sections © ARCHSTUDIO

ホワイエは、打ちっ放しコンクリートです。半透明のU字型ガラスで作られたファサードは、かすみと柔らかな光のような効果を生み出し、ギャラリーに入る訪問者を暖かく迎え入れます。この空間は、周囲の環境との調和を重んじて、古い建物と同様の赤レンガで造られました。

Street-side facade © Jin Weiqi

Foyer © Jin Weiqi

展示スペースは、台形型の光井を通して日光が入り込みます。設計チームは既存のコンクリート製の屋根パネルを取り除き、天窓を追加しました。

Roof plan © ARCHSTUDIO

Reception area © Jin Weiqi

台形の光井は、展示ホールとその下のレセプションスペースに柔らかな自然光をもたらします。 1階には、3つのパートに分けられた展示ホールがあります。設計チームは、高密度のコンクリートの梁を利用して、内部空間の高さを最大限に高めました。梁の断面は台形になっています。それぞれの梁の間に光膜天井を挿入することで、展示スペースに柔らかな人工光が加わりました。

Main exhibition hall © Jin Weiqi

The exhibition space © Jin Weiqi

The exhibition hall © Jin Weiqi

2Fのレセプションホールは、台形型となっています。キッチン、バスルーム、レジャー、会議質を備えました。日光は天窓を透過し、斜めの壁に広がり、独特の神聖な雰囲気を持つレセプションスペースが完成しました。

Reception hall © Jin Weiqi

Small reception room © Jin Weiqi

フロントエリア、レセプションエリアやオフィスエリアにある固定家具にもコンクリートが遣われました。このようなデザインが空間の中に新たな印象を与えます。

Exhibition hall details © Jin Weiqi

Reception hall © Jin Weiqi

Office area © Jin Weiqi

Floor plans © ARCHSTUDIO

South elevation © ARCHSTUDIO

West elevation © ARCHSTUDIO

プロジェクト情報
プロジェクト名:PIFO GALLERY
場所:北京芸術区798芸術区
デザイン会社: ARCHSTUDIO
チーフデザイナー:Han Wenqiang 、Li Xiaoming
デザイナー:王通慧
構造コンサルティング:朱チャンガン
MEPコンサルティング:Zheng Baowei、Li Dongjie、Li Zhongjuan
画像編集:王通慧
建設:郭春西など
プロジェクト面積:880平方メートル
設計段階:2020年10月-2021年1月
建設段階:2021年1月- 2022年2月
主な材料:コンクリート、マイクロセメント、U字型ガラス
写真:金伟

ARCHSTUDIO |プロフィール
2010年に設立され、北京の798芸術区に拠点を置くARCHSTUDIOは、デザインの実践において人間、自然、歴史、商業の調和の取れたバランスを維持することを提唱し、デザインの本質と真の方法を追求し、コンセプトから建設までのプロセス全体を管理し、努力しています現代に基づいた、未来を受け入れる質の高い感情的な空間環境を作り出すこと。現在、スタジオは主に自然の文脈での建築デザイン、都市建築の改修と変革、消費スペースのアップグレードなどに焦点を当てています。

ARCHSTUDIOは、デザインの実践において、「関係のデザイン」の原則を主張し、不確実性の現実を分析し、大小、外と内、新旧、人工と自然などの関係を調整します。物理的なオブジェクトに応じてフォームを作成し、心に空間的な雰囲気を作り出し、空間と物理的な行動の間の相互作用を呼び起こし、無限の空間知覚を可能にし、それによって空間の精神と経験を強化します。

2015年、ARCHSTUDIOは、有名なアメリカの雑誌ArchitecturalRecordから10のデザインヴァンガードの1つとして表彰されました。また、2015年から2019年にかけて、2015年から2019年にかけて中国のAD100リストに連続して含まれ、建築とデザインにおける中国のトップ100の才能の1つとして認められています。

受賞歴
Dezeen Awards, LEAF Awards, Architizer A+Awards,Wood Design & Building Design Awards, Interior Design’s Best of Year Awards, ArchDaily’s Building of The Year Awards, ASC Architectural Design Awards, WA Awards for Chinese A2015年、ARCHSTUDIOは、有名なアメリrchitecture (shortlisted), TID Award (Gold Award), Asia Pacific Interior Design Awards (Gold Award)など。

過去の展示会
ハーバードでの「中国の現代建築」、10x100 — UED 10周年記念の100人の建築家の展示会、韓国の光州デザインビエンナーレ、ミラノデザインウィーク、北京デザインウィークテーマ展、デザインスペクトラム香港などで「The Way of Tea」 など。

Han Wenqiang ハン・ウェンチャン|プロフィール
ARCHSTUDIOの創設者兼チーフアーキテクト。中国の遼寧省大連出身。2005年にCAFAの建築学部で修士号を取得後、同学校で講師として活動中。

デザインの実践と研究において、伝統的な知恵で物理的環境を考察することを提唱し、アプローチとして「関係のデザイン」を重要視し、物理的なオブジェクトに基づいた形成を行っています。また、表的な作品として、水辺の仏教寺院や、胡同の茶室、有機農場、ツイストコートヤードなど、人間、自然、歴史、文化、商業、空間の間の調和とバランスを実現するよう努めてきました。過去には中国の建築とデザインにおけるトップ100タレントとしての受賞もあります。


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