光の強いエネルギーを作品に落とし込む
ADF（NPO青山デザインフォーラム）は、「ADFアートギャラリープロジェクト」の第36回目として、犬丸暁による個展「光たちの庭」を2025年10月10日（金）から10月22日（水）まで、表参道のGARDE Galleryで開催いたします。


『もし光が一つの物質だったら、どんな手触りだろう？それを手で掴んでどこかに絵の具のように塗りつけたり、紙に染み込ませたりできたら、今ここにある光も標本みたいに保管して誰かと分かち合えるかもしれない。』

植物を眺めるとき、葉から取り込まれた太陽の光が植物の体内に蓄積され、今もそこに光の痕跡が物質として留まっているのを想像します。

犬丸は、絵画やドローイング、パフォーマンスやインスタレーションなどを用いて “光＝触れることのできる物質” と捉えながら、『光』という普遍的なテーマと向き合っています。近年は、紙に描いた絵の一部をルーペで太陽光により焦がすドローイングシリーズや、“色彩＝光”と置き換え、顔料を“光の粉”、それをアクリル樹脂と混ぜた絵具を“光のペースト”と見立てた絵画作品シリーズの二つを中心に制作しています。

光は生命や希望、知識などポジティブなイメージを多く与えますが、同時に強すぎる光は命を奪い、破壊し、物を劣化させる力も持っています。本展ではその強いエネルギーを持つ『光』を作品を通して表現しています。

本展は2008年の渡仏以来、犬丸にとって日本で初の個展開催となります。18年間のフランスでの生活で感じ取ってきた光を共有する試みです。

犬丸暁
1984 茨城県つくば市出身
2008 武蔵野美術大学油絵学科修士課程修了
2013 ル・アーブル/ルーアン高等美術学校マスタークラス修了
現在フランス、ルーアンとパリを拠点に活動

主な個展
2024 「Plantes, Witness of light」植物園内温室 (クラクフ/ポーランド)
2024 「Chambres ardentes」サン・マクルー教会 (ルーアン/フランス)
2023 「Mon Cher Jardin」ヴィランドリー城 (ヴィランドリー/フランス)
2022 「Cimes et Racines」サン・トゥーアン聖堂 (ルーアン/フランス)
2022 「Jardins flottants」ミシェル・シリー美術館 (ヴァランジュヴィル=シュール=メール/フランス)
2018 「Botanique」リュクサンブール公園内温室 (パリ/フランス)
2018 「Langage des fleurs」MOCAK近代美術館 (クラクフ/ポーランド)
2016 「Portrait des plantes」市立植物園 (ルーアン/フランス)
2015 「Kata−D’une lumière à l’autre」イヴ・クライン資料館 (パリ/フランス)

主なグループ展
2024 「Spleen of Paris」Tichauer Art Gallery (ティヒ/ポーランド)
2021 「Star Makers」Foro Boario 現代美術センター (オリスターノ/イタリア)
2021 「ROOTS」FLORE Arts Gallery (神戸)
2018 「龍野アートプロジェクト in クラクフ」Mangghaミュージアム (クラクフ/ポーランド)
2018 「ファルマコンII」想念庵 (京都)
2013 「龍野アートプロジェクト2013」(兵庫県たつの市)
2013 「興福寺国際美術展」興福寺 (長崎)

主な受賞歴
2022 助成金「Bourse Arts visuels」(セーヌ=マリティム県)
2019 第23回アントワーヌ・マラン賞 3等
2015 助成金「Aide à la création」(DRAC Haute-Normandie)

主なアーティスト・イン・レジデンス
2025 Katsurao Collective (福島県葛尾村)
2024 ミシェル・シリー美術館 (フランス)
2015 ヴィラ・カルデロン (フランス)
2013 龍野アートプロジェクト2013 (兵庫県たつの市)
2012 龍野アートプロジェクト2012 (兵庫県たつの市)

ADFアートプロジェクト 「光たちの庭」展 開催概要
会期：2025年10月10日（金）〜10月22日（水）
時間：11:00〜18:00
会場：GARDE Gallery
休廊：10月18日(土)、日曜、祝日
URL：https://www.art-adf.jp/