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《Urban Experiment》(2019)
都市の歩行空間に漂う浮遊体が感性に働きかける
金沢21世紀美術館では、2025年5月20日(火)〜10月5日(日)の期間、「ALTEMY PARK IN PROGRESS」展を開催します。
本展を手がけるのは、建築と人との関係を問い直す建築デザインスタジオALTEMY。彼らは、空間にささやかな仕掛けを施すことで、日常の見え方を変え、来館者に新たな視点をもたらしてきました。今回は金沢21世紀美術館の建築そのものを再解釈し、その中に“違和感”という小さなトリックを織り込むことで、訪れる人々が自らの「当たり前」を揺さぶられるような体験を生み出します。
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2004年の開館以来、金沢21世紀美術館は「関係性の美学」に影響を受けたアートの拠点として、多くの人々に親しまれてきました。たとえば、フロリアン・クラールの《アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3》は、見知らぬ来館者同士が声を通してつながる場を創出し、通称「ウサギ椅子」はSNS映えの名所としても広く知られる存在になりました。こうした作品群が形作るイメージは、美術館の代名詞とも言えるでしょう。
しかし、20年の歴史の中で強く定着したこのイメージは、必ずしもすべての来館者の体験を映し出しているわけではありません。椅子に寝転ぶ地元の人、館内を歩き回る子どもたち、ロッカーの鍵に戸惑う海外からの観光客、ラッパに声をかけるのをためらう来館者——美術館で過ごすさまざまな個人の姿は、これまで十分に語られてきたとは言えません。
今回の展示では、「マジョリティ」や「マイノリティ」といった枠にとらわれるのではなく、一人ひとりの来館者、つまり“個”に目を向けることがテーマとなっています。ALTEMYが仕掛ける建築的アプローチは、来館者の身体や感覚と響き合いながら、美術館をまるで公園のような開かれた場所へと進化させていきます。
ALTEMY
阪急神戸三宮駅前サンキタ広場(2021)
photo: 生田将人
ALTEMY
まちの保育園 南青山(2024)
photo: GION
ALTEMY
Weaving Behavior(2023)
金沢21世紀美術館 「ALTEMY PARK IN PROGRESS」
会期:2025年5月20日(火)〜10月5日(日)
場所:金沢21世紀美術館 デザインギャラリー、交流ゾーン
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜は20:00まで)
料金:無料
その他:月曜休館(7月21日、8月11日、9月15日は開館。7月22日、8月12日、9月16日は休館)
URL: https://www.kanazawa21.jp