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根津美術館 特別展「l国宝・燕子花図屏風 −デザインの日本美術−」

特別展「国宝・燕子花図屏風—デザインの日本美術—」が、東京・南青山の根津美術館にて、2024年4月13日(土)から5月12日(日)まで開催されます。尾形光琳(1658〜1716)の筆になる国宝「燕子花図屏風」は、絵とデザインの境界線上に位置する作品です。群青を分厚く塗った花や、緑青を勢いよく刷いた葉など、画家の絵筆の介在は明らかですが、平面上の幾何学的なレイアウトが作品の核心であるのも間違いありません。 
「燕子花図屏風」に結実するデザイン性、あるいは装飾性は、日本の美術が古来、内包してきたものでもあります。とくに、光琳自身が連なるやまと絵の伝統は、現実と対峙し、それを客観的に写すことより、自然や人々の営みと融和して、それを優美に表すことに意を用いました。可憐な草花が居室を飾る大画面絵画のモチーフとなったこと、あるいは、生活を彩る工芸品の意匠と絵画の親密な関係も、そうした事情と無縁ではないでしょう。 
一方、「燕子花図屏風」は、草花図でありながら和歌や物語とも関わると考えられています。書芸術としての和歌の鑑賞は料紙の美麗化を促すとともに、和歌と絵画との多様な結びつきを生み出しましたが、「燕子花図屏風」は、デザインという手段によって文学の世界を象徴的に表すことに挑み、成功するのです。本展では、「燕子花図屏風」を中心にすえ、近世の作品を主にとりあげながら、デザインの観点から日本の美術をみつめます。

桜芥子図屏風 伊年印 日本・江戸時代 17世紀 大田区立龍子記念館蔵

画面上方に満開の桜が放射状に枝を伸ばし、下辺には芥子を中心とする草花がブーケのようなまとまりを作って並ぶ。江戸初期に俵屋宗達の工房で制作された大画面草花図の中でも、ひときわデザイン性に優れる作品。

重要文化財 春日山蒔絵硯箱 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵

意匠は「山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目を覚ましつつ」の和歌に基づく。鹿の姿を生き生きと捉えつつ、抽象化されたまろやかな山、そして月や秋草を大ぶりに配する。そのまま、やまと絵の世界である。

根津美術館 特別展「l国宝・燕子花図屏風 −デザインの日本美術−」

会期:2024年4月13日(土)〜5月12日(日)
会場:根津美術館
住所:東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間:10:00〜17:00
※5月8日(水)〜12日(日)は19:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、5月7日(火)

同館ウェブサイトからのオンライン日時指定予約制
料金:一般1500円、学生1200円
*障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料


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